MT4でEA運用をしていると、相場が荒れている際に耳にすることがあるVIX指数というのをご存知でしょうか?
VIX指数とは、ボラティリティ・インデックス(Volatility Index)の略で、恐怖指数とも言われ、トレーダーが株式市場に対し、不安感を感じているときはVIX指数が高く、楽観的なときは低いとされています。
そのため、VIX指数が高いときは、市場の値動きが荒くなります。つまり、VIX指数が高いときには、為替市場も荒れるため、EA自動売買でも、ハイリスク・ハイリターンという相場環境となります。
しかしながら、一般的にMT4のEAは、相場が荒れることを前提には設計されていませんので、相場が荒れると損をする傾向にあると考えられ、フィルター(制限)をしたほうが良いという意見が多いです。
今回は、本当にVIX指数が高いとEA運用で損をする傾向にあるのか?ということをMT4の実践トレード結果とVIX指数との関係を調べることで、リアルに検証してみたいと思います。
EA運用の曜日や時間帯による制限(フィルター)の効果については、下記の検証ページにまとめていますので、興味のある方は、ご参照ください。
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VIXデータの収集と検証ルール(フィルター)について
今回使用するデータは、下記のCBOE(シカゴ・オプション取引所)を用いています。
このCBOE提供のVIX指数データから、その日の取引開始時の恐怖指数(VIX)が○○以上になっていれば、自動売買を一切行わないというMT4での自動売買ルールを想定し、VIXが○○以上の日の取引結果を、それぞれ見ていきたいと思います。
なお検証には、2018年3月〜2019年4月の14ヶ月間のデータを使用しています。
VIX(恐怖指数)の大きさによる制限効果(フィルター)の検証
VIX指数は12以下が安定していると言われています。
今回は、比較的VIX指数が高い17以上の日、つまり市場が荒れ気味と考えられる日の実際のトレード結果から見ていきたいと思います。
VIX指数が17以上のエントリー
日付 | VIX指数 | 取引回数 | 損益(pips) |
---|---|---|---|
2018/03/08 | 17.56 | 5回 | 4.4pips |
2018/03/20 | 18.38 | 4回 | -4.6pips |
2018/03/21 | 17.76 | 5回 | 24.0pips |
2018/03/22 | 18.13 | 3回 | 12.4pips |
2018/03/23 | 24.02 | 1回 | 8.9pips |
2018/03/26 | 23.41 | 2回 | 8.9pips |
2018/03/27 | 20.33 | 2回 | 10.5pips |
2018/03/28 | 22.52 | 2回 | 23.9pips |
2018/03/29 | 22.87 | 11回 | 27.4pips |
2018/04/02 | 21.07 | 4回 | 12.8pips |
2018/04/04 | 21.68 | 16回 | 20.7pips |
2018/04/05 | 19.76 | 5回 | -15.4pips |
2018/04/06 | 20.33 | 7回 | -15.9pips |
2018/04/09 | 21.27 | 13回 | 93.3pips |
2018/04/10 | 20.51 | 6回 | 17.3pips |
2018/04/11 | 20.95 | 4回 | -1.7pips |
2018/04/12 | 19.83 | 2回 | 5.2pips |
2018/04/16 | 17.59 | 13回 | 95.1pips |
2018/04/23 | 17.29 | 7回 | 46.4pips |
2018/04/25 | 18.14 | 8回 | 26.8pips |
2018/04/26 | 18.07 | 4回 | 15.4pips |
2018/06/28 | 17.54 | 7回 | 25.1pips |
2018/07/02 | 17.7 | 9回 | 3.0pips |
2018/10/11 | 23.07 | 19回 | 55.3pips |
2018/10/12 | 21.63 | 17回 | -69.4pips |
2018/10/15 | 21.97 | 20回 | 81.7pips |
2018/10/16 | 20.28 | 24回 | 44.9pips |
2018/10/17 | 17.06 | 12回 | -13.3pips |
2018/10/18 | 18.02 | 19回 | -15.5pips |
2018/10/19 | 19.24 | 12回 | 60.9pips |
2018/10/22 | 19.38 | 15回 | -92.1pips |
2018/10/23 | 22.18 | 15回 | -48.2pips |
2018/10/24 | 21.6 | 13回 | -47.0pips |
2018/10/25 | 24.78 | 21回 | -379.8pips |
2018/10/26 | 24.51 | 7回 | 139.9pips |
2018/10/29 | 24.48 | 25回 | 245.6pips |
2018/10/30 | 23.94 | 10回 | -67.7pips |
2018/10/31 | 22.72 | 14回 | 108.9pips |
2018/11/01 | 20.96 | 15回 | 70.2pips |
2018/11/02 | 18.52 | 8回 | -19.1pips |
2018/11/05 | 20.58 | 11回 | 129.5pips |
2018/11/06 | 19.84 | 15回 | 42.0pips |
2018/11/07 | 18.03 | 30回 | 179.3pips |
2018/11/12 | 17.26 | 21回 | -103.3pips |
2018/11/13 | 19.45 | 10回 | -56.4pips |
2018/11/14 | 20.52 | 22回 | 10.1pips |
2018/11/15 | 20.41 | 10回 | 1.6pips |
2018/11/16 | 20.04 | 9回 | 42.1pips |
2018/11/19 | 18.78 | 26回 | -3.2pips |
2018/11/20 | 20.76 | 14回 | 115.1pips |
2018/11/21 | 21.66 | 15回 | 14.6pips |
2018/11/23 | 21.23 | 2回 | -7.6pips |
2018/11/26 | 20.78 | 13回 | -94.6pips |
2018/11/27 | 19.41 | 22回 | -63.0pips |
2018/11/28 | 18.87 | 20回 | 5.6pips |
2018/11/29 | 18.65 | 11回 | 51.3pips |
2018/11/30 | 19.18 | 7回 | -93.5pips |
2018/12/06 | 23.53 | 33回 | -838.8pips |
2018/12/07 | 22.42 | 7回 | -54.4pips |
2018/12/10 | 23.95 | 14回 | -97.0pips |
2018/12/11 | 22.96 | 25回 | -64.8pips |
2018/12/12 | 21.91 | 11回 | 101.3pips |
2018/12/13 | 21 | 17回 | -217.1pips |
2018/12/14 | 21.57 | 11回 | -169.1pips |
2018/12/17 | 22.36 | 2回 | -4.8pips |
2018/12/18 | 24.68 | 10回 | 28.6pips |
2018/12/19 | 25.15 | 17回 | 183.9pips |
2018/12/20 | 26.09 | 17回 | 55.5pips |
2018/12/21 | 28.24 | 7回 | -3.5pips |
2018/12/24 | 29.29 | 9回 | -0.1pips |
2018/12/26 | 35.5 | 20回 | 105.9pips |
2018/12/27 | 31.2 | 21回 | -78.0pips |
2018/12/28 | 29.97 | 11回 | 496.4pips |
2018/12/31 | 27.59 | 16回 | 621.2pips |
2019/01/02 | 27.54 | 41回 | -42.8pips |
2019/01/03 | 25.68 | 68回 | -504.7pips |
2019/01/04 | 24.36 | 20回 | -3.0pips |
2019/01/07 | 22.06 | 11回 | -41.9pips |
2019/01/08 | 20.96 | 28回 | -32.1pips |
2019/01/09 | 20.44 | 18回 | 63.4pips |
2019/01/10 | 20.98 | 21回 | 93.4pips |
2019/01/11 | 19.68 | 18回 | 42.9pips |
2019/01/14 | 19.84 | 14回 | -235.6pips |
2019/01/15 | 18.53 | 17回 | -133.4pips |
2019/01/16 | 18.08 | 9回 | 37.6pips |
2019/01/17 | 19.51 | 7回 | -18.6pips |
2019/01/18 | 17.8 | 15回 | 172.4pips |
2019/01/22 | 18.53 | 16回 | -58.0pips |
2019/01/23 | 20.85 | 13回 | 104.5pips |
2019/01/24 | 19.69 | 20回 | -194.7pips |
2019/01/25 | 18.43 | 11回 | -235.4pips |
2019/01/28 | 18.56 | 24回 | 103.9pips |
2019/01/29 | 19.45 | 10回 | 29.5pips |
2019/01/30 | 19.15 | 14回 | -275.1pips |
2019/01/31 | 17.39 | 13回 | -12.0pips |
2019/03/08 | 17.38 | 19回 | 2.0pips |
2019/03/25 | 17.76 | 19回 | 18.7pips |
損益合計:-385.0pips 総トレード数:1358回 効果が期待できます
※上記結果がマイナス収支(pips)であれば、制限を行って効果アリということになります。
1358回の取引回数なので、1回あたりに換算すると微妙ですが、効果は期待できそうですね。
VIX指数が18以上のエントリー
先のVIX指数が17以上と同様に条件(VIXが18以上)に一致したトレード集計します。
ページが長くなるため、これ以降は、集計の結果のみを公開します。
取引回数 | 損益(pips) |
---|---|
1213回 | -647.5pips |
損益合計:-647.5pips 総トレード数:1213回 効果が期待できます
※上記結果がマイナス収支(pips)であれば、制限を行って効果アリということになります。
先のVIX17以上のエントリーと比較すると150回の取引で250pipsほどの効果がでています。
つまりVIX18以上のエントリーを制限することは、期待していいかと考えられますね。
VIX指数が19以上のエントリー
取引回数 | 損益(pips) |
---|---|
1003回 | -610.6pips |
損益合計:-610.6pips 総トレード数:1003回 効果が期待できます
※上記結果がマイナス収支(pips)であれば、制限を行って効果アリということになります。
VIX17以上のエントリーと比較すると取引回数は200回で、35pipsのマイナス(逆効果)となっています。
数字はかなり小さいので、無視できる範囲かとは思われます。
VIX指数が20以上のエントリー
取引回数 | 損益(pips) |
---|---|
832回 | 253.3pips |
損益合計:253.3pips 総トレード数:832回 効果なし!?
※上記結果がマイナス収支(pips)であれば、制限を行って効果アリということになります。
VIX20以上のエントリーだと、253.3pipsの逆効果になってしまっていますね…
考察は、下記の検証結果にまとめたいと思います。
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検証結果
今回の検証結果を踏まえると、VIX指数(恐怖指数)が18以上の日は、MT4でトレードをしないという選択が良さそうに思います。
その一方で、VIXが20以上の日は、大幅にプラスという結果(逆効果)が出ています。
検証結果に素直に従えば、VIX指数が18以上20未満の日は、トレードをしないということにはなります。
しかし、VIX指数の特性上、20を超えてくるとかなり相場が荒れやすいので、今回の検証データは、VIX20以上の荒れた相場で、トレードが良い方向に行ったと推察してもいいかも知れません。
相場で永く生きながらえるには、リスクを回避しながら、MT4で安定したトレードを行うことが重要と考えています。
そのように考えると、やはりVIX指数が18を超えてくるとトレードをストップするということが賢明な選択だと考えます。
また、今回の検証結果は、トレード回数が1年程度とまだまだ検証データとしては少ないため、今後もトレードデータが蓄積されていけば、適宜、VIX指数とMT4の自動売買トレード結果との相関を調べていきたいと思います。
VIX指数の大きさ等でトレードを自動的にストップするには、下記の便利なツールを使えば、自動で行えます。
興味のある方は、下記のリンクよりご参照ください。